商品をカートに入れ、住所を打ち込み、決済画面まで来たところで、初めて送料880円が表示される。お客様はそこで静かにブラウザを閉じます。カゴ落ちの、いちばん典型的な場面です。
商品をカートに入れたお客様が、購入を完了せずに離れることをカゴ落ちと呼びます。原因は、送料が後から出てくる、入力項目が多い、使いたい決済方法がない、スマートフォンで画面が使いにくい、など一つではありません。AIは、購入ステップごとの数字、問い合わせ、アンケートを整理して、考えられる原因と改善案を洗い出すのに使えます。
この記事では、離脱している段階を確かめるところから、改善を一つずつ測るところまでの手順を紹介します。お客様の行動履歴を扱うので、個人情報は匿名化・集計したものだけを使う前提です。
【この記事でわかること】
- どの段階で離れているかを確かめる方法
- 送料・入力・決済・表示、4つの改善ポイント
- カゴ落ちメールを送るときのルール
どの段階で離れているかを確かめる
商品ページ → カート → 購入者情報の入力 → 配送方法 → 決済 → 完了。各段階で、進んだ人数と離れた人数を確認します。すべてを一度に直すのではなく、離脱がいちばん大きい場所から見てください。
計測ができていない場合は、まずアクセス解析でステップごとの数字を出せるようにします。それが難しければ、「購入テスト」から始めてください。担当者だけでなく、サイトを初めて見る人(家族や知人で十分です)に、スマートフォンで実際に注文直前まで進んでもらい、迷った場所、戸惑った表示を口に出してもらいます。数字より先に、生の「戸惑い」を3つ集めるほうが、改善は早く進みます。数字の見方は『AIでECのアクセスデータを分かりやすく整理する方法』で解説しています。
費用と条件を早めに伝える
送料、手数料、最低購入金額、配送日の目安、返品条件が最後まで分からないと、お客様は不安になります。商品ページとカートの早い段階で、重要な条件が見つかるかを確認してください。「〇〇円以上で送料無料」「ご注文から2〜3営業日で発送」を商品ページの価格の近くに置くだけで、決済画面での離脱は減ります。
AIにページの文言を整理させ、長い説明を短く分かりやすくする案を作れます。ただし、正式な条件との照合は必須です。なお、通信販売では特定商取引法により、注文の最終確認画面に、数量、販売価格、送料、支払い時期と方法、引き渡し時期、申し込み期間、返品・解約の条件を表示することが求められています。最終確認画面は「表示義務の場所」であって、「初めて条件を知らせる場所」ではない、と考えてください。
入力と決済の負担を減らす
必要以上の入力項目、分かりにくいエラー表示、会員登録の強制、スマートフォンで押しにくいボタンがないかを確認します。郵便番号から住所を自動入力できるか、エラーの箇所と直し方が分かるか、ゲスト購入ができるか。この3つは特に効きます。
決済方法も、お客様層に合っているかを見直してください。クレジットカードに加えて、ID決済、コンビニ払い、後払いなど、よく使われる方法が抜けていると、それだけで離脱します。
フォロー連絡は同意と頻度に配慮する
カートに商品が残っていることをメールやLINEで案内する「カゴ落ちメール」は効果的ですが、守るべきルールがあります。
- メールは、受信者の同意(オプトイン)が原則で、配信停止の方法と送信者の表示が必要(特定電子メール法)
- LINEなどは、各サービスの配信ルールに従う
- 送信回数は1〜2回まで。何度も購入を急がせない
- 個人情報の利用目的に「購入手続きの案内」が含まれているかを確認する
内容は、「お急ぎください」より、送料、在庫、問い合わせ先など、判断に役立つ情報を。AIで文案を作る場合も、配信ルールとブランドの言葉づかいに合わせてください。メールの作り方は『AIでECメルマガを作成する手順と注意点』、購入後の関係づくりは『AIを使ってECのリピーター施策を考える方法』で扱っています。
改善は一つずつ測る
送料表示、入力項目、ボタン文言などを変更した日を記録し、購入完了率と問い合わせの変化を確認します。複数の変更を同時に行うと、何が効いたのか分からなくなります。
在庫切れやセールなど、期間中の出来事も一緒に記録してください。カゴ落ちの改善は、派手な施策より「一つ直して、二週間測る」の積み重ねで決まります。カート以前の商品ページに問題がある場合は、『AIでECの商品ページを改善する5つのポイント』から見直してください。
よくある質問
会員登録を必須にしないと、リピーター施策ができないのでは?
ゲスト購入を許可し、注文完了後に「次回のために登録しますか」と案内する方法があります。登録の強制で失う注文のほうが、たいてい大きな損失です。
カゴ落ち率はどれくらいが普通?
業種や商品単価で大きく変わるため、他社の平均より、自社の前月との比較を見てください。「先月より下がったか」だけが、改善の判断に使える数字です。
まとめ
カゴ落ち対策では、離脱する段階を確かめ、費用・条件の表示、入力、決済、画面表示を一つずつ改善します。AIは原因と文案の整理に使い、個人情報と連絡の同意には十分に配慮を。「一つ直して二週間測る」を繰り返せば、カートから購入完了までの通り道は確実に広がります。
【今日からできる3ステップ】
- サイトを初めて見る人に、スマートフォンで注文直前まで進んでもらい、戸惑った点を3つ聞く
- 送料と発送目安を、商品ページの価格の近くに表示する
- 変更日を記録し、2週間後に購入完了率を前後で比べる
ママダカラEC AIでは、購入導線の確認と、カートから購入完了までの改善案の作成を支援します。
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