AIに商品説明を書かせると、驚くほど早く、それらしい文章が出てきます。読みやすく、売り文句も入っている。そのまま公開したくなります。
ただ、この「それらしさ」が問題を含んでいることがあります。公開した文章の責任を負うのは、書いたAIではなく、出したお店です。
起きうる3つのこと
1. 事実と違うことが書かれる
AIは、与えられていない情報を、もっともらしく埋めることがあります。
- 素材が綿100%なのに「リネン混」と書かれる
- 洗濯機で洗えない商品に「ご家庭で洗えます」と書かれる
- 取り扱いのないサイズやカラーが書かれる
返品や問い合わせの原因になるだけでなく、「表示と違う」として景品表示法上の問題になりえます。
2. 景品表示法にふれる表現
AIは売れる文章を書こうとするため、強い言葉を選びがちです。次のような表現は、根拠を示せない場合に問題となります。
| 気をつけたい表現 | なぜ問題か |
|---|---|
| 「業界No.1」「売上第1位」 | 調査の出典・時期・範囲を示せないと、根拠のない優良表示になります |
| 「最高の品質」「絶対に○○」 | 最上級・断定は、裏付けが求められます |
| 「通常価格10,000円→5,000円」 | その通常価格で実際に販売していた実績が必要です |
| 「今だけ」「残りわずか」 | 実態と違う場合、有利誤認にあたることがあります |
とくに二重価格表示は、AIが指示していなくても書いてしまうことがあります。セール文言を任せるときは、必ず確認してください。
3. 薬機法にふれる表現
化粧品・雑貨・衣類でも、身体への効果をうたうと薬機法の対象になります。アパレルでは、次のような場面で起きます。
- 着圧のインナーに「むくみが解消します」
- シルク製品に「肌が生まれ変わります」
- 腹巻きに「冷え性が治ります」
- 矯正下着に「痩せます」
「快適な着け心地です」「あたたかく過ごせます」のように、体感の表現にとどめるのが基本です。
では、どう使えばよいか
AIを使わないという結論にはなりません。書き出しの時間は確実に減ります。使い方を変えるだけです。
事実は、こちらから渡す
素材、サイズ、洗濯表示、原産国。AIに推測させる余地を残さないことが、いちばん効きます。入力が面倒に感じても、あとで直す時間より短く済みます。
「使ってはいけない言葉」を先に伝える
「最上級・断定は使わない」「効果効能は書かない」と最初に指示しておくと、出てくる文章がかなり変わります。毎回入力するのが手間なら、定型文として保存しておいてください。
公開前に、人が読む
ここは省略できません。ただし全文を精読する必要はなく、次の3点だけで多くを防げます。
- 書いていない事実がないか(素材・サイズ・洗濯)
- 言い切っている箇所はないか(必ず・絶対・No.1・最高)
- 体への効果を書いていないか(治る・解消・痩せる)
担当者が変わっても、同じ基準で確認できるように
上の3点を紙に書いて、公開作業の手順に組み込んでください。「気をつける」では引き継げませんが、手順なら引き継げます。
責任の所在は変わりません
「AIが書いたものなので」という説明は、通用しません。掲載した表示の責任は、掲載した事業者にあります。ここはAIを使う前と変わりません。
逆に言えば、確認の手順さえ整えれば、AIは安心して使える道具になります。早く書けることと、正しく出すことは、両立します。
※ 本記事は一般的な考え方をまとめたものであり、個別の表示が法令に適合するかどうかを保証するものではありません。判断に迷われる場合は、消費者庁の公表資料をご確認いただくか、専門家へのご相談をおすすめします。
表現の見直しも、ツールに入っています
ママダカラEC AI には、景品表示法・薬機法の観点で文章を見直す「表現チェック」機能があります。最終確認は人の目でお願いしていますが、見落としを減らす助けになります。
