「税込」と書くべきところを「税別」と書いていた。たった一文字ですが、公開から3日間、お客様は実際より安い価格を見ていたことになります。AIが作った文章は整って見えるぶん、こうした一文字の間違いが目に入りにくくなります。
読みやすいことと、正しいことは別です。価格や素材の間違い、実物と異なる画像、存在しないリンク、根拠のない表現。AIの出力には、こうした要素が混ざる可能性が常にあります。そして、公開した情報の責任を負うのはAIではなく、運営する会社です。
事故を防ぐために、公開前の確認を担当者の経験や注意力に頼らず、チェックリストとして仕組みにしましょう。この記事では、EC担当者がそのまま使える5項目を紹介します。
【この記事でわかること】
- 公開前に確認する5つの項目と、見落としやすいポイント
- 景品表示法・薬機法など、表現で気をつけること
- コピーして使えるチェックリストと、確認の記録方法
1.商品情報・事実の確認
商品名、型番、価格、税込・税別、素材、サイズ、色、原産国、在庫、送料、納期、販売期間を、元資料と照合します。数字と日付は、一文字の違いでもお客様の判断に影響します。
あわせて、AIが入力されていない特徴や効果を補っていないかを確認してください。「書いてあることが正しいか」だけでなく、「渡していない情報が増えていないか」を見るのがコツです。商品説明の元情報のそろえ方は『売れる商品説明文をAIで作るために必要な5つの情報』で解説しています。
2.文章表現の確認
根拠のない最上級表現(「最高」「No.1」「業界初」)、効果の断定、不必要に不安をあおる表現がないかを確認します。根拠のない優良・有利な表示は、景品表示法の問題になり得ます。
商品分野によって、必要な確認は変わります。化粧品や健康食品は薬機法で認められた範囲の表現に、食品は食品表示のルールに沿っているかを特に慎重に見てください。「シミが消える」「痩せる」のような表現は、AIが悪気なく提案してきます。判断が難しい表現は、社内の責任者や専門家に確認を。誤字、表記ゆれ、ブランドの言葉づかいも、この段階で見直します。
3.画像の確認
商品本体の色、形、柄、付属品、数量が実物と一致しているかを確認します。人物の手や身体、ロゴ、文字に不自然な部分がないかは、拡大して見ないと気づけません。
AI画像と実物写真が混在するページでは、お客様が区別できる配置や説明になっているかも確認してください。アパレルのAIモデル画像は、丈、柄の位置、ボタンの数まで元写真と照合します。画像の注意点は『AI画像生成をECサイトで使うときの注意点』、着用画像は『AIモデル着用画像でできること・できないこと』にまとめています。
4.権利・個人情報の確認
他社のロゴ、キャラクター、写真、文章に似た要素が含まれていないかを確認します。お客様の氏名、住所、注文番号、顔写真が意図せず残っていないかも見直してください。レビューを引用する場合は、掲載の許可があるかも確認します。
使用したAIサービスの商用利用条件と、社内ルールに沿っているかも、ここで確認します。社内ルールの作り方は『EC企業が作っておきたいAI利用の社内ルール』をご覧ください。
5.リンクと表示の確認
商品ページ、問い合わせ先、クーポン、キャンペーンページへのリンクを、実際に開いて確認します。スマートフォンとパソコンの両方で、文字の切れ、画像の崩れ、ボタンの押しやすさを見てください。
予約投稿の場合は、公開日時と販売期間が合っているかも確認します。メルマガなら、配信停止の案内と送信者の表示が入っているか(特定電子メール法の要件)も、ここでチェックします。メルマガの配信前確認は『AIでECメルマガを作成する手順と注意点』に詳しくまとめています。
コピーして使えるチェックリスト
5項目を、そのまま社内で使える形にまとめました。
- □ 価格・税込表示・サイズ・素材・数量が元資料と一致している
- □ 渡していない特徴や効果が追加されていない
- □ 根拠のない最上級表現、効果の断定、不安をあおる表現がない
- □ 化粧品・健康食品・食品は、法令の範囲内の表現になっている
- □ 画像の色・形・付属品が実物と一致し、不自然な部分がない
- □ AI画像と実物写真の区別がつく配置・説明になっている
- □ 他社のロゴ・キャラクター・文章に似た要素がない
- □ お客様の個人情報が残っていない
- □ すべてのリンクが正しいページに開く
- □ スマートフォンで表示が崩れていない
- □ 公開日時と販売期間が合っている
チェックリストは「全部やる」ためのものではなく、「毎回同じ順番で見る」ためのものです。順番が固定されると、確認の抜けが起きにくくなります。
誰が確認したかを記録する
作成者と確認者を分けられる場合は、二人で確認します。難しい場合でも、作成直後ではなく少し時間を置いて見直すと、誤りに気づきやすくなります。
重要なページでは、確認日、確認者、使用した元資料を記録しておいてください。あとから修正が必要になったとき、どこを直せばよいかがすぐに分かります。
よくある質問
全部確認する時間がない。どこを優先すべき?
事実(価格・数量・日付)→ 表現(法令に関わる言葉)→ リンクの順です。この3つは、間違えるとお客様に直接の損失や誤解を与えます。
AIが間違えた場合、責任は誰にある?
公開した会社にあります。AIツールの利用規約でも、出力の確認責任は利用者側にあるのが一般的です。だからこそ、担当者と承認者を決めておく必要があります。
まとめ
AI生成物の公開前には、事実、文章表現、画像、権利・個人情報、リンクと表示の5項目を確認します。チェック項目を固定し、誰が確認するかを決める。この二つで、AIを安全に使い続けられます。
【今日からできる3ステップ】
- 上のチェックリストをコピーし、自社の商品分野に合わせて項目を足す
- 「作成者」と「確認者」を決める(一人なら、時間を置いて見直すルールに)
- 次に公開するページで実際に使い、抜けた項目があれば追加する
ママダカラEC AIでは、文章や画像を作るだけでなく、公開前確認と承認フローの設計も支援します。
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