撮影を終えて商品登録を始めた日、リネンシャツのサイズ感が分かる写真が1枚もないと気づきました。全景と畳んだ写真はある。でも、袖の長さも透け感も分かりません。
撮り直しの日程は取れず、公開は先送りに。撮影の失敗は、カメラではなく指示書の不足で起きます。「何を撮るか」が決まっていないと、足りないものは撮った後に分かる。
新生活の時期に商品を増やす前に、お客様の質問から逆算するカット割り、AIで指示書を作る手順、撮影の表現と権利の注意をまとめました。
【この記事でわかること】
- 必要なカットを「お客様の質問」から逆算する方法
- 商品マスターからAIで撮影指示書(表)を作る手順と入力例
- 撮影で気をつける表現・権利と、altテキストの書き方
1.必要なカットは「お客様の質問」から逆算する
必要な写真の枚数は、商品によって違います。決め方はひとつ。お客様が買う前に聞きそうな質問を書き出し、その答えになる写真を1枚ずつ用意します。
基本のカットは6種類。全景、質感(寄り)、サイズ感(手や比較物と一緒に)、使用場面、色・サイズのバリエーション、同梱物や裏面の表示です。
リネンシャツなら、質問は「袖の長さは?」「透けますか?」「洗うとしわになりますか?」。訳あり品なら、訳あり箇所の寄りが先頭のカットです(『訳あり・アウトレット商品のページをAIで作る:理由の書き方と価格表示の注意』)。答えは、袖を広げた写真、濃い色の下地に重ねた写真、洗濯後の写真です。質問がたとえば10個あれば、カットも10枚近く要ります。
撮影のカット割りは、お客様が聞きそうな質問の数だけ必要です。
2.AIで撮影指示書を作る
質問の一覧ができたら、商品マスター(素材・サイズ・色展開・用途)と一緒にAIに渡し、撮影指示書の表を作らせます。
表の列は、カット番号、目的(どの質問に答えるか)、構図、小物、NG、優先度の6つ。当日は、上から順に撮るだけです。
コピー用プロンプト:商品撮影の指示書を表でつくる
以下の商品情報と、お客様が購入前に聞きそうな質問をもとに、商品撮影の指示書を作ってください。
■商品情報
・商品名:【 】
・素材・仕様:【 】
・サイズ:【 】
・色展開:【 】
・用途・使う場面:【 】
■お客様の質問(5つ以上)
【 】
■出力
・表の列:カット番号/目的(どの質問に答えるか)/構図/使う小物/NG/優先度(高・中・低)
・全カット共通の条件(光・背景・色の基準)を表の下に3行で。
■条件
・商品情報にない特徴や、実物と違って見える演出は書かない。
・情報がない内容は推測せず「要確認」と表示してください。
・禁止表現:最上級表現(最安・No.1など)、効能の断定、根拠のない数値。
出てきた表は、人が「撮れるか」で絞ります。着用モデルがいない、屋外に持ち出せない。撮れないカットは削り、代わりの答え(サイズ表、図解)を書き足します。撮影指示書は、AIが広げて人が絞る順で作ると、当日に迷いません。
3.スマホ撮影でも守る3つ
スマホで撮る店舗も多いでしょう。機材より先に、全カット共通で守る条件を3つ決めます。
- 光:自然光で、毎回同じ時間帯に撮る
- 背景:白か、統一した1種類の布・板
- 色:基準になる白いもの(白い紙や皿)を一緒に撮る
ステンレスボトルのように光を反射する商品は、窓の位置と撮る向きで色が変わります。同じ時間帯・同じ場所で撮れば、色違いを並べたときの差が正しく見えます。
この3つは、指示書の「全カット共通の条件」として表の下に書いておきます。スマホ撮影の品質は、カメラではなく光・背景・色の基準で決まります。
4.撮影で気をつける表現と権利
写真は文章より強く伝わる分、ずれたときの影響も大きい。気をつけるのは表現と権利の2つ。
表現では、色を鮮やかに補正しすぎる、広角で大きく見せるなど、実物と違って見える加工に注意します。届いた商品が写真と違えば、景品表示法の優良誤認にあたるおそれがあります。色の補正は、基準の白が白く見える範囲までに。
権利では、小物や背景に他社の商品・ロゴ・キャラクターを映さないこと(商標・著作権)。木製カッティングボードに載せた食品のパッケージも対象です。人が映る場合は、使う範囲を伝えて許諾を取ります(肖像権)。
AI生成の画像や背景を混ぜるなら、『AI画像生成をECサイトで使うときの注意点』で線引きを確認します。写真のNGは「実物と違って見えること」と「他人のものが映ること」の2つです。
5.撮った後:ファイル名とaltテキストをAIで
撮影後は、ファイル名を「日付・商品・カット番号」で統一します。たとえば「0215_linen-shirt_03.jpg」なら、誰が見ても探せます。
altテキストは、画像が表示されないときや読み上げで使われる説明文で、書くのは「何が写っているか」の事実だけ。売り文句は『AIで商品名・キャッチコピーを作成するコツ』の商品名やコピーに任せます。
- 「白いリネンシャツの全景、ハンガーに掛けた正面」
- 「リネンシャツの袖口の寄り、ボタンと縫い目」
- 「身長【 】cmのモデルが着用したリネンシャツ、横から」
表をAIに渡せば、カット番号ごとのalt案が一度に出ます。人が見るのは、写真と見比べて写っていないものがないかだけ。altテキストは、写真を見られない人に向けた事実の説明で、売り文句ではありません。
動画の台本は『商品紹介動画(リール・ショート・楽天)の台本をAIで作る:30秒の構成と表現の注意』で。
よくある質問
撮影はプロに頼むべきですか?
分けて考えます。1枚目に使う全景と質感の寄りは、第一印象を決めるのでプロに。使用場面やサイズ感は、自社でスマホで撮り足す。この分け方なら、費用を抑えながら質問に答えるカットをそろえられます。頼むときも、指示書を渡せば撮り漏れが減ります。在宅スタッフに撮影を任せるときの業務説明は『在宅スタッフの募集文と業務説明をAIで作る:応募が来る書き方と表現の注意』の考え方で。
写真は何枚あればいいですか?
枚数の正解はありません。見るのは「お客様の質問に答えるカットがそろっているか」です。全景だけ10枚あっても、サイズ感の1枚がなければ足りません。出店先ごとの枚数の上限や推奨サイズは公開前に公式ヘルプで確認し、収まらない分は優先度の低いカットから外します。
まとめ
撮影のカットは、お客様が聞きそうな質問から逆算し、質問の数だけ用意します。
商品マスターと質問をAIに渡して指示書の表を作り、人が「撮れるか」で絞ります。
実物と違って見える加工と他人のものの映り込みを避け、altテキストは事実だけで書きます。
【今日からできる3ステップ】
- 商品を1つ選び、お客様が買う前に聞きそうな質問を5つ書き出す
- AIに撮影指示書の表を作らせ、撮れるカットだけに絞る
- 撮影後、altテキストをAIで下書きし、写真と見比べて事実を確認する
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