開店のときに設定した自動返信メールを、3年間一度も開いていませんでした。読み返すと、「ご注文ありがとうございます」の次の行に、もう使っていない配送会社の名前。発送の目安も古いままでした。
自動メールは、お客様がいちばん読む文章です。注文直後、発送のとき、届いたあと。どれも必ず開かれるのに、いちばん放置される。書いた本人が、その後二度と読まないからです。
年明けに落ち着いて店の文章を見直すなら、ここから。受注後に送る5通の役割、現状の文面をAIに渡して抜けを指摘させる手順、取引メールに販促を混ぜるときの注意を整理しました。
【この記事でわかること】
- 受注後に送る5通と、それぞれの役割
- 現状の文面をAIに渡して「抜け」と古い表現を指摘させる手順
- 取引メールに販促を混ぜるときの注意と、年1回のテスト注文
1.受注後の5通と、それぞれの役割
受注後に自動で送るメールは、だいたい5通です。
- 注文確認(サンクスメール):注文内容・金額・支払方法・発送予定
- 入金確認(前払いのとき):入金を受けた日と、発送の予定
- 発送通知:追跡番号・配送会社・お届けの目安
- 到着後フォロー:使い方・お手入れ・レビューのお願い
- 再入荷・次回の案内:関連商品や次の買い物の案内
各通に「お客様がいま知りたいこと」を1つ置きます。ステンレスボトルの発送通知なら、知りたいのは「いつ届くか」。追跡番号と配送会社とお届け目安が上にあれば、挨拶は短くて構いません。
開店時のまま放置しないことが、見直しの出発点です。自動メールは、お客様がいちばん読む文章です。
2.現状の文面をAIに渡して「抜け」を指摘させる
書き直す前に、いまの文面をそのままAIに渡します。頼むのは「書き直し」ではなく「抜けと古い表現の指摘」。自分では見慣れすぎて気づけない箇所を、外の目で拾わせます。
コピー用プロンプト:注文確認メールの抜けと古い表現を指摘させる
以下は、当店(ネットショップ)の注文確認メールの文面です。書き直さずに、次の2点を指摘してください。
1. 次の項目のうち抜けているもの:注文内容、金額(税込・送料)、支払方法、発送予定、問い合わせ先、返品条件への導線
2. 古くなっている可能性のある表現(配送会社名、日数、営業時間、リンク先など)
■文面
【現状のメール文面を貼る。氏名・住所・注文番号は伏せ字にする】
■条件
・指摘は項目ごとに1行で、理由を添える。
・情報がない内容は推測せず「要確認」と表示してください。
・禁止表現:最上級表現(最安・No.1など)、効能の断定、根拠のない数値。
指摘をもとに直すのは人です。発送予定の日数や配送会社名は、店舗のいまの運用と照らして書き換えます。
AIに頼むのは「書き直し」ではなく、見慣れた文面の「抜けの指摘」です。
3.5通を「同じ声」で書き直す
抜けを埋めたら、5通をまとめて書き直します。先に決めるのは店舗の口調。「です・ます、親しみは中くらい、絵文字なし」のように1行で書き、5通を一度に出させます。1通ずつ頼むと、通ごとに声が変わるからです。
差し込み項目(お名前・注文番号・追跡番号)は【 】のまま残します。AIに実際の注文情報を渡さないためと、システムの差し込みタグに置き換えやすくするためです。
返信の型を作る手順は『AIで問い合わせ返信テンプレートを作る方法|ECで使える10例』と同じ。自動メールも問い合わせ返信も同じ声で書かれていると、店の印象がそろいます。
5通は、口調を1行で決めてから、一度に書き直します。
4.取引メールに販促を混ぜるときの注意
発送通知の末尾に「冬のセール開催中」を足したくなります。ただ、取引の連絡に広告を混ぜると、広告メールとして扱われるおそれがあります。特定電子メール法で、同意・送信者の表示・受信拒否の方法が求められるからです。
前払いの注文では、承諾の通知に特定商取引法で求められる内容があり、公開前に消費者庁の案内で確認します。注文内容をAIに渡すときは、氏名・住所・注文番号を伏せます(個人情報保護法)。
到着後フォローのレビュー依頼は、特典の付け方に景品表示法のステマ規制が関わるおそれがあります。線引きは『レビューを増やす同梱カードと返信文:AIで整えるときのステマ規制の線引き』で確認します。
取引のメールは取引だけ、販促は同意のある人への別のメールで送ります。
5.テスト注文で5通を自分で受け取る
年に1回、自分の店で1件注文します。届いた5通をスマホで読み、長い・古い・リンク切れを直す。パソコンでは整って見えても、スマホでは3回スクロールしないと注文内容が出ないことがあります。
見る順番はお客様と同じ。注文直後に「いつ届くか」が分かるか。発送通知から追跡ページに飛べるか。マグカップの注文にルームシューズのお手入れ方法が届いていたら、差し込みの設定が間違っています。再入荷・次回案内の文面は『在庫切れ・再入荷・予約販売の案内文をAIで用意する:売り逃しと苦情を減らす表示』の型が使えます。
開店時の段取りは『ネットショップの新規出店をAIで準備する:楽天・Yahoo!・Shopify 開店までのチェックリスト』のテスト注文の項目と同じです。
自動メールの見直しは、自分で注文してスマホで読むところから始まります。
よくある質問
自動メールは短いほうがいいですか?
短さより、知りたいことが上にあるかどうかです。注文確認なら、注文内容・金額・発送予定が最初の画面に入っていれば、その下に返品条件や問い合わせ先が続いても読まれます。挨拶が長くて注文内容が下にあると、短くても読まれません。注文内容だけは省略しないのが原則です。
モールの自動メールは変えられますか?
変えられる範囲がモールごとに違います。件名や本文の一部だけ編集できるもの、定型文に差し込みを足せるものなど。変えられない部分は無理に触らず、変えられる部分(署名・お届け目安・問い合わせ先)だけを整えます。項目は出店先の公式ヘルプで確認します。
まとめ
受注後の自動メールは、注文確認・入金確認・発送通知・到着後フォロー・次回案内の5通。お客様がいちばん読む文章なのに、開店時のまま放置されがちです。
現状の文面をAIに渡して抜けを指摘させ、口調を1行で決めて5通を一度に書き直します。販促は取引メールに混ぜず、年1回は自分で注文して読み返します。
【今日からできる3ステップ】
- 自分の店で1件テスト注文し、届いた自動メールを全部スマホで読む
- 注文確認メールをAIに渡し、抜けと古い表現を指摘させる
- 5通を同じ口調で書き直し、差し込み項目だけ人が確認する
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