「レビューを書いてくださった方に、次回使えるクーポンを」。同梱カードの文面をそこまで書いて、手が止まりました。これは、どこまでやっていいのか。
レビューは、増やしたい気持ちとルールの境目が見えにくい領域です。しかも「増やし方」だけでなく「返し方」にも決まりがあります。低評価にどう返すか、何を書いてはいけないか。知らずに返して評価を下げる店舗もあります。
レビュー依頼でやっていいこと・だめなことの線引き、同梱カードと返信文をAIで作る手順、返信に書いてはいけないことをまとめました。
【この記事でわかること】
- レビュー依頼でやっていいこと・だめなことの線引き
- 同梱カードと3パターンの返信文をAIで作る手順
- 返信に書いてはいけないことと、人が確認するルール
1.レビュー依頼の線引き:頼んでいいこと、だめなこと
レビューを「書いてください」とお願いすること自体は問題ありません。線を越えるのは、次のような頼み方です。
- 良い評価(星5など)を条件に特典を付ける
- 「この点を褒めてください」と評価の内容を指定する
- 自社のスタッフや関係者が、一般のお客様のふりをして書く
これらは、景品表示法のステマ規制(事業者の表示であることを隠した広告)にあたるおそれがあります。お客様が自分の言葉で書いたものだけがレビューです。
もうひとつ、レビューを書くこと自体への特典(クーポンやポイント)は、出店先のモールで禁止や制限がある場合があります。カードに書く前に規約を確認します。
頼んでいいのは「書くこと」まで。「良く書くこと」は頼めません。
2.同梱カードの文面をAIで作る
同梱カードの役割は、お願いの前に役立つことです。構成はお礼→使い方→お願いの順。これなら「レビューをくれ」だけのカードになりません。
木製カッティングボードを例にします。「ご購入ありがとうございます」→「使い始めは食用オイルを薄く塗り、洗ったら立てて乾かしてください」→「使ってみた感想を、よければレビューで教えてください」。お手入れ方法が先にあるからカードが残ります。
AIへの入力は、商品名、お手入れ方法(事実のみ)、店舗からの一言の3点です。「お礼→使い方→お願いの順で、100字以内の同梱カードを3案」と頼み、お手入れ方法が事実どおりかだけ確認します。
同梱するおまけやクーポンには、景品表示法で景品類の上限に基準があります。金額は公開前に消費者庁の資料で確認します。
同梱カードは、お願いより先に役に立つものにすると残ります。
3.レビュー返信は3パターンを用意する
返信は、評価ごとに型を分けておきます。毎回ゼロから書くと、低評価で感情が入るからです。
- 高評価:感謝+次の提案(「次は◯◯も合わせてお使いください」)
- 中評価:感謝+改善点の受け止め(「◯◯の点、参考にさせていただきます」)
- 低評価:事実確認→謝罪→対応→改善
AIに渡すのは、注文内容(商品名とバリエーション)、レビュー本文、店舗の方針(交換に応じるか)の3つです。「低評価への返信を、事実確認→謝罪→対応→改善の順で120字以内」と頼みます。
出力例はこうなります。「このたびはご不便をおかけし申し訳ありません。届いた状態を確認させていただきたく、メッセージをお送りしました。確認のうえ交換を手配いたします」。短く、次の行動があることが大事です。
低評価への返信は、謝罪の言葉より「次に何をするか」で評価されます。
4.返信に書いてはいけないこと
返信は公開されるので、書いてはいけないことを先に決めておきます。
- お客様の氏名、注文番号、住所などの個人情報
- 言い訳(「配送会社の都合で」「混雑していて」)
- 他のお客様との比較(「他の方からは好評です」)
- 効能の断定(「効きます」「治ります」)
効能の断定は、保湿クリームのような化粧品で起きやすい失敗です。「乾燥が改善した」というレビューに「はい、改善します」と返すと、薬機法にあたるおそれがあります。「ご実感いただけてうれしいです」にとどめます。
個人情報は、AIに渡す段階でも注意が必要です。レビュー本文に氏名があれば伏せてから渡します。詳しくは『AIに入れてはいけない情報チェックリスト』をご覧ください。
AIの下書きは、公開前に人が一度読む。このルールを1行、運用に足しておきます。
5.集まったレビューを商品ページに戻す
レビューは返して終わりではなく、商品ページを直す材料になります。
たとえば木製カッティングボードに「思ったより重い」が3件続いたら、重量表記が目立っていない合図です。サイズと重さを冒頭に出す、手に持った写真を足す。読んで初めて気づける直しです。
まとめて読むのが大変なら、AIに「不満の多い順に3つに分類して」と頼みます。手順は『AIで商品レビューを分析し、売上改善につなげる方法』にあります。
レビューの返信と商品ページの修正は、同じ月のうちにセットで行います。
よくある質問
低評価レビューには返信しないほうがいいですか?
返信したほうがよい場合がほとんどです。低評価の返信は、書いた本人より、そのページを後から見る方が読んでいます。事実確認→謝罪→対応→改善の順で、短く、次の行動を書きます。反論や言い訳は不要です。本人への対応はメッセージ機能などで行います。
レビュー返信を全部AIに任せても大丈夫ですか?
下書きまでなら任せられます。ただし投稿は人が行います。返信は公開されるので、個人情報や効能の断定が混ざると取り消しが効きにくいこと。低評価の返信は店舗の方針(交換に応じるかなど)を含み、その判断はAIにはできないこと。この2つが理由です。
まとめ
レビュー依頼は「書くこと」までは頼めますが、良い評価を条件にした特典や内容の指定はステマ規制のおそれがあります。
同梱カードはお礼→使い方→お願いの順、返信は高・中・低の3パターンを型にしてAIに下書きを頼みます。
返信に個人情報・言い訳・効能の断定を書かないと決め、投稿前に人が一度読みます。
【今日からできる3ステップ】
- 出店先のレビュー特典に関する規約を確認する
- 同梱カードの文面を、お礼→使い方→お願いの順で1つ作る
- 低評価用の返信の型を1つ作り、AIに下書きさせて人が読む運用にする
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