「初回◯円」の定期コースのページをAIに書かせたら、読みやすい文章が返ってきました。ところが、その中に「いつでも解約OK」の一文。実際は、2回目を受け取るまで解約できないコースです。
AIは、渡した条件より「売れそうな言い回し」を優先することがあります。定期購入では、それが一番危ない。文章の上手さではなく、表示の正確さで合否が決まるからです。
定期購入の表示には特定商取引法で求められる項目があり、抜けたページは苦情の火種です。求められる項目、AIへの渡し方と禁止表現、解約対応の型を順に整理します。
【この記事でわかること】
- 定期購入のページで表示が求められる項目と、最終確認画面の考え方
- AIに渡す「事実の表」の作り方と、書かせてはいけない表現
- 5か所の表示をそろえる確認方法と、解約の問い合わせ対応の型
1.定期購入は「最終確認画面」までがページ
定期購入で見られるのは、商品説明の文章だけではありません。最終確認画面まで含めて、ひとつのページです。改正された特定商取引法では、この画面での表示項目が決まっています。分量、各回の価格と総額、支払時期・方法、引渡時期、申込期間、解約の条件と方法などです。
ドリップコーヒーセットの月1回コースなら、「毎月2袋お届け」「初回◯円、2回目以降◯円」「次回お届けの◯日前までに解約」。申し込む前に全部読める状態が基準です。
定期購入ではないと誤認させる表示や、解約を妨げる行為も禁止されています。定期購入のページは、申し込む前に「やめ方」まで読める状態が合格です。 項目の詳細は、公開前に消費者庁の資料で確認します。
2.AIに渡す情報は「事実の表」だけ
「魅力的に書いて」と頼むと、AIは条件を補って書いてしまいます。渡すのは事実の表だけ。初回と2回目以降の価格、回数の縛り、解約の期限と方法、お届けサイクル、送料、支払方法です。
表が埋まらない項目は、まだページに書けない条件。先に社内で決めてから渡します。文章は表から作る。表にない条件は、AIにも書かせません。
コピー用プロンプト:定期購入ページの文章を事実の表から作る
次の「事実の表」だけをもとに、定期コースの説明文を作ってください。表にない条件や特典は書かないでください。
・商品名:ドリップコーヒーセット(月1回お届け)
・初回価格:【 】円/2回目以降:【 】円(税込)
・回数の縛り:【 】
・解約の期限と方法:次回お届けの【 】日前まで/【 】
・お届けサイクル・送料・支払方法:【 】
出力:1. 商品ページ用の説明文(300字以内)、2. 定期購入の条件の箇条書き、3. 最終確認画面用の要約
情報がない内容は推測せず「要確認」と表示してください。
禁止表現:最上級表現(最安・No.1など)、効能の断定、根拠のない数値。
表の条件と合わない表現(「いつでも解約OK」など)は使わないでください。
出力は表と突き合わせ、数字が1つでも違えば使いません。
3.書かせてはいけない表現
危ない表現は4つ。
- 「いつでも解約OK」:回数の縛りや解約期限があるなら書けない
- 「実質無料」「お試し」の多用:定期購入ではないと誤認させるおそれ
- 「◯%の方が継続」:根拠のない数値は景品表示法で問題になるおそれ
- 効能の断定:健康食品や化粧品の定期コースでは薬機法に触れるおそれ
保湿クリームの定期コースなら「肌が生まれ変わる」も書けません。禁止表現の行を指示に入れ、出力後にも人が目を通す。AIの文章は、売れそうな言い回しほど疑って読みます。 詳しくは『AIが書いた商品説明、そのまま出すと危ない』で解説しています。
4.カートと商品ページの表示をそろえる
条件が正しくても、場所によって違えば意味がありません。見る場所は5つ。商品ページ、カート、最終確認画面、受注メール、特定商取引法に基づく表記です。
5か所の文言を1つのファイルに並べ、AIに「事実の表と違う箇所を指摘して」と頼みます。解約期限の日数がページとメールで違う、といった食い違いを見つけるのが目的。定期購入の事故は、文章の間違いより、5か所のズレから起きます。
ただし、AIが見られるのは渡した文言だけ。カートの設定はテスト注文で人が確かめます。やり方は『商品登録ミスをAIで減らすチェック方法|価格・SKU・画像・説明文』の応用です。
5.解約の問い合わせ対応の型
「解約したい」の問い合わせは、定期購入では必ず来ます。返信は4段階。受け付け→条件の確認(解約期限)→手続きの案内→確認メールの順です。
引き止めの文言は入れません。「もう1回だけ続けませんか」は、解約を妨げる行為と受け取られるおそれがあるからです。「次回◯月◯日分から停止します」と事実だけを伝えます。
解約の返信は、速く・短く・事実だけ。 解約用の型は『AIで問い合わせ返信テンプレートを作る方法|ECで使える10例』の作り方で用意します。
よくある質問
「初回◯円」のコースは、どこに何を書けば安全ですか?
初回価格のすぐ近くに、2回目以降の価格、回数の縛り、解約の期限と方法を並べます。初回価格だけを大きく書き、条件を別ページにまとめる形は、誤認させる表示とみなされるおそれがあります。商品ページ、カート、最終確認画面の3か所に同じ条件を書くのが基本。
解約方法は電話だけにしてもいいですか?
電話のみの受け付け自体は禁止されていません。ただし、電話がつながらない、受付時間が極端に短い、といった運用は、解約を妨げる行為と判断されるおそれがあります。申し込みと同じ手段(マイページやメール)で解約できる設計が無難です。受付手段は特定商取引法に基づく表記にも書きます。
まとめ
定期購入のページは、文章の良さより表示の正確さで決まります。最終確認画面まで含めて、価格・回数・解約の条件が読める状態が基準です。
AIには事実の表だけを渡し、5か所の表示をそろえ、解約の返信は事実だけで速く。この3つで苦情の火種は減ります。
【今日からできる3ステップ】
- 定期コースの条件(価格・回数・解約・サイクル)を事実の表に書き出す
- 商品ページ・カート・受注メールの表示が表と一致するか、1項目ずつ確認する
- 解約の問い合わせ返信の型を1つ作り、引き止めの文言がないか見直す
定期購入ページの表示や運用の整理は、まずは30分の無料相談でご相談ください。
【あわせて読みたい】
まずは30分の無料相談から
ネットショップのAI活用は、会社ごとに適した業務と順番が異なります。現在のお悩みや作業内容を伺い、AIで試しやすい部分と人が判断すべき部分を整理します。いきなり契約する必要はありません。まずはお気軽にご相談ください。
