スマホで撮った軽量トートバッグの動画を見返すと、最初の5秒が商品の全景のまま。手に取って、回して、置く。「で、何がいいの?」が、30秒たっても出てきませんでした。
撮り直しても同じでした。足りないのは機材でも編集の腕でもなく、台本です。何を、どの順番で映すかが決まっていないと、何度撮り直しても全景が続くだけの動画になります。
年明けの新商品やSNS投稿を増やしたい時期に向けて、30秒動画の基本構成、商品マスターからAIで台本を作る手順、動画で起きやすい表現と権利の問題を整理しました。
【この記事でわかること】
- 30秒動画の基本構成(最初の3秒・困りごと・使う場面・一言)
- 商品マスターからAIで台本を作る手順と入力例
- 動画で起きやすい表現・権利の問題と、撮る前に決めること
1.30秒動画は「構成」で決まる
30秒の商品動画は、4つに区切って考えます。0〜3秒は結論か困りごと(「朝の支度、あと5分欲しい」)。3〜15秒は使っている場面。15〜25秒は事実の特徴。25〜30秒は一言と、どこで買えるか。
軽量トートバッグなら、冒頭は「荷物が多い日の肩の重さ」。次に財布・水筒・折りたたみ傘を入れていく場面、そのあとに重さ・容量・素材のテロップ、最後に「◯◯で販売中」の一言です。マグカップでも、この4区切りは同じです。在庫切れ中の商品なら、再入荷の案内(『在庫切れ・再入荷・予約販売の案内文をAIで用意する:売り逃しと苦情を減らす表示』)を最後の一言に入れます。
前提は縦型で、音を出さずに見られること。通勤中に無音で見る人を想定し、声の説明ではなくテロップで分かる作りにします。テロップは1カットに1つ、短く。
動画の台本は、話す言葉ではなく「何を映すか」の順番です。
2.AIに渡すのは商品マスターと「誰のどの場面か」
「台本を書いて」とだけ頼むと、売り文句が並んだナレーションが返ってきます。渡すのは商品マスターの事実と、「誰の、どの場面か」の1行。出力は表の形に指定します。
コピー用プロンプト:30秒の縦型動画の台本を表で作る
以下の商品情報をもとに、30秒の縦型商品動画の台本を「カット番号・映す内容・テロップ・秒数」の4列の表で作ってください。
■商品情報
・商品名:【 】
・素材・サイズ・重さ・容量:【 】
・色展開・価格:【 】
・誰の、どの場面で使うか:【 】
■条件
・0〜3秒は困りごとか結論、3〜15秒は使う場面、15〜25秒は事実の特徴、25〜30秒は一言と購入先。
・テロップは1カット15字以内、音がなくても分かる内容にする。
・商品情報にない特徴や効果は書かない。
・情報がない内容は推測せず「要確認」と表示してください。
・禁止表現:最上級表現(最安・No.1など)、効能の断定、根拠のない数値。
返ってきた表で人が見るのは、テロップの数字です。「容量【 】L」「重さ【 】g」を商品マスターと1行ずつ照合します。
台本の表は、テロップの数字を商品マスターと突き合わせてから撮影に回します。
3.媒体ごとの作り分け:リール・ショート・楽天の商品ページ動画
同じ台本から、出す場所ごとに強弱を変えます。SNSのリールやショートは、最初の3秒で指を止めてもらうのが仕事。商品ページの動画は、興味がある人が見るので、特徴を丁寧に見せます。
| 出す場所 | 冒頭3秒 | テロップの量 | 尺の考え方 |
|---|---|---|---|
| SNS(リール・ショート) | 困りごとで止める | 少なく、大きく | 短く、場面を1つに絞る |
| 商品ページの動画 | 商品の結論から | 特徴を丁寧に | 長めでも可、音なし前提 |
推奨される長さや画面サイズは媒体ごとに変わるため、公開前に各社のヘルプで確認します。文章の作り分けの考え方は『商品情報からSNS投稿を作り分ける方法』と同じです。
1本の台本を、冒頭の強さとテロップの量で変えれば、媒体ごとの3本になります。
4.動画で起きやすい表現と権利の問題
動画は文章より目立つぶん、表現の問題も目立ちます。保湿クリームで「肌がきれいになる」と言えば、効能の断定として薬機法にあたるおそれ。「他社より軽い」のような比較や最上級は、根拠がなければ景品表示法の問題になりえます。
権利の問題は3つ。BGMは配信先のライセンス内の音源か、権利処理した音源を使う(著作権)。映り込む他社の商品やロゴ(商標)。出演するスタッフの許諾(肖像権)。
AIの台本にも、禁止表現を渡しておきます。文章での考え方は『AIが書いた商品説明、そのまま出すと危ない』と同じで、公開前に人が表現を確認します。
動画の表現は、文章と同じルールに「音と映り込み」が足されたものです。
5.撮る前に「NGカット」と「必要カット」を決める
台本ができたら、撮影の指示をAIに書き出させます。台本の表を渡し、「必要なカット・避けるカット・撮れなかったときの代替」の3列で。当日の迷いが減ります。
軽量トートバッグなら、必要カットは「荷物を入れる手元」「肩にかけた全身」「片手で持ち上げる場面」。NGは「他社ロゴ入りの水筒を入れる」「暗い室内で色が変わる」。代替は「全身が撮れなければ鏡越し」。
写真も含めた撮影の指示書は、『商品撮影の指示書をAIで作る:カット割り・NG・altテキストまで』で詳しく扱います。
公開前の確認は、『AIが作った文章・画像の公開前チェックリスト』の項目が使えます。
撮影当日に迷わないために、台本の次に「撮らないもの」を決めておきます。
よくある質問
顔出しなしでも商品動画は作れますか?
作れます。手元と商品だけで、使う場面は十分に伝わります。軽量トートバッグに荷物を入れる手、マグカップを持ち上げる手、ルームシューズを履く足元。顔が映らないぶん、テロップで「誰の、どの場面か」を補います。スタッフの手が映る場合も、了解は取っておきます。
動画は何本作ればいいですか?
最初は1商品1本を、3商品ほど。まとめて何十本も作るより、3本の反応(最後まで見られたか、商品ページに来たか)を見てから次を決めるほうが、台本の直し方が分かります。本数より、「どのカットで離脱したか」の記録から始めます。
まとめ
商品動画で足りないのは機材ではなく台本です。困りごと、使う場面、事実の特徴、一言と購入先の4つに区切って「何を映すか」を決めます。
AIには商品マスターと「誰のどの場面か」を渡して4列の表を作らせ、数字は人が照合。表現と権利の問題は公開前に確認します。
【今日からできる3ステップ】
- 動画にする商品を1つ選び、「誰の、どの場面か」を1行で書く
- AIに4列の台本表を作らせ、テロップの事実を商品マスターと照合する
- 必要カットとNGカットを書き出してから撮影する
商品動画の台本づくりや撮影の段取りは、まずは30分の無料相談でご相談ください。
【あわせて読みたい】
まずは30分の無料相談から
ネットショップのAI活用は、会社ごとに適した業務と順番が異なります。現在のお悩みや作業内容を伺い、AIで試しやすい部分と人が判断すべき部分を整理します。いきなり契約する必要はありません。まずはお気軽にご相談ください。
